北海道・富良野といえば、ラベンダー畑やメロンなどが有名ですが、実は観光途中に立ち寄れるグルテンフリーの米粉パン専門店があるのをご存知でしょうか?
今回ご紹介する「sora no kujira(そらのくじら)」は、小麦を一切使わず、元パン職人の店主が丁寧に焼き上げるもっちり香ばしい米粉パンが人気のお店。観光の合間に立ち寄れるロケーションで、グルテンフリーや小麦アレルギーの方はもちろん、健康志向の方からも注目を集めています。
富良野ってどんな街?sora no kujiraは札幌から車で約2時間!
北海道のほぼ中央に位置する富良野市は、ラベンダー畑や大自然の絶景で知られる道内屈指の観光地。
「sora no kujira(そらのくじら)」があるのは、そんな富良野の中心エリアです。
札幌から車で訪れる場合は、高速道路を利用して約2時間。
公共交通機関では、JRまたは高速バスの利用が便利です。
JRを利用する場合、基本は札幌駅から滝川駅で乗り換え、富良野駅まで約2〜2時間50分ほど(※乗り継ぎ時間によって変動)。
ただし、夏季(6月〜9月)限定で運行される特急「フラノラベンダーエクスプレス」を利用できれば、乗り換えなし・約2時間で富良野にアクセスできます(※2024年8月時点/詳しくはJR北海道の公式サイトをご確認ください)。
富良野駅からお店までは、車で約5分、徒歩では約23分。
近くには人気の観光スポット「フラノマルシェ」もあり、ドライブやお買い物の合間に立ち寄るのにぴったりなロケーションです。

小麦パン職人からの転機──グルテンフリー米粉パン店「sora no kujira」誕生まで

「そらくじ」の愛称で親しまれる「sora no kujira(そらのくじら)」は、2011年8月に北海道産小麦を使ったパン屋さんとしてスタートしました。北海道は全国有数の小麦の産地。店主・西山さんが焼き上げるパンはたちまち評判を呼び、地域に根ざした人気店となりました。
しかし、開業から約10年。ご夫婦そろって小麦アレルギーを発症してしまいます。2022年春にはご主人の症状が悪化し、やむを得ず一時休業に。

家族で始めたパン屋が、このまま続けられないかもしれない──。小麦パン作りができない現実に直面しながらも、ご夫婦は悩み抜いた末に「米粉パン」への転向を決意します。
そこからは日々試行錯誤の連続。わずか約3カ月という短期間で小麦を完全に除去したレシピを完成させ、2022年9月に「米粉のパンと焼菓子 sora no kujira」として再出発を果たします。
sora no kujira公式Instagramより↓
素晴らしい焼き上がりの米粉食パン
インスタを遡ると、小麦パン時代のラインナップも見ることができます。
わずか約3カ月という短期間で、小麦を完全に除去したグルテンフリーレシピを完成させたというエピソード。一文で書けば簡単に聞こえますが、その裏には相当な試行錯誤と努力があったことは、想像に難くありません。
小麦アレルギーという思いがけない出来事をきっかけに、食と体の関係を見つめ直し、米粉の可能性やグルテンフリーの健康的なメリットに目を向けた店主の姿勢には、深く心を打たれました。

お店の前向きなメッセージにも感激しちゃいました!
……今でも小麦粉の美味しさを忘れることはできません、毎日小麦のパンを食べたいと思います。
その気持ちを米粉に変え、米粉の香り、もちもちの食感、米粉の魅力を時間をかけて皆さまにお伝えしていけたらと思っています。sora no kujira 公式インスタグラムより引用
https://www.instagram.com/p/CikG7IRBKih/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
旧店名「ぱん屋そらのくじら」から「bakery & coffee sora no kujira」、そして「米粉のパンと焼菓子 sora no kujira」へ──。形態は変わっても、名前のなかにずっと残されている「sora no kujira」という言葉。実はこの言葉にも、素敵な意味が込められていました。
「そら」が好きで
「の」んびりと
「く」くつろげる
「じ」ぶん
「ら」しさのあるお店
という想いを並べて生まれた店名だそうです。家族で営むお店にぴったりの、やさしくてあたたかいネーミングですね。
ロゴマークであるくじらのイラストも、まさにその世界観にぴったりです。
定番からスイーツまで!sora no kujiraのグルテンフリー米粉パン
店内に入るとまず目に入るのは、ナチュラルでかわいらしいソファとテーブルのくつろぎスペース。その奥には、棚いっぱいに並んだ米粉パンがずらり!

焼きたてのマフィンやミニ食パンなど、小ぶりで食べやすいパンがずらりと並んでいて、見ているだけでもワクワクします。
もちろんすべて小麦不使用のグルテンフリー。乳や卵など、その他のアレルゲンについても、店頭の表示でしっかり確認できます。


*米粉パンとお菓子 ラインナップ一例* ※2024.8月時点 (税込み表示)
・チョコチャンククッキー ¥270
・ガトーショコラハーフ ¥380
・バナナパウンドハーフ ¥350
・シフォンケーキ各種 ¥250~
・マフィン各種 ¥240~
・あらびきマスタードフランク ¥380
・ベーコンとチーズピザ ¥350
・たまごサラダサンド ¥400
・食パン ¥750(ミニ/¥380)
・米粉バゲット ¥200
・あんバター ¥280
etc.


焼き菓子から食事系パン、ハード系まで、ジャンルも幅広く、しかもお値段はとっても良心的。
さすが元・小麦パン職人が手がけるだけあって、どれも完成度が高く、「これ、本当に米粉?」と疑ってしまうような美味しさです。
「小麦パンのときはもっと種類を出せていたのですが、米粉はどうしても手間がかかるので、ある程度絞って販売しています」と店主の奥様。
でも、少しでも米粉パンづくりをかじったことがある筆者からすれば、開店時間の11時にこのラインナップを揃えるのは本当にすごいこと!
小麦が食べられずにパンをあきらめていた人にとって、ここはまさに“パンの楽園”ではないでしょうか^^

焼きたてを店内で!sora no kujiraのイートイン体験

店内には、ソファ席とカウンター席を合わせて8〜10席ほどのイートインスペースが用意されており、購入したパンをその場で楽しむことができます。
今回は気になる4点をチョイスし、コーヒーと一緒にじっくり味わってきました。


夏季限定でかき氷の提供もあり、キッズ(中学生以下)サイズがあるのも嬉しいポイント♪
さらに、犬用おやつとして米粉ときなこのラスクや、sorakujiオリジナルコーヒーの販売もあります。
ちなみにコーヒー豆は、美瑛町にある自家焙煎珈琲店「北工房」さんが監修しているそう。


店内には電子レンジとオーブントースターが設置されており、これも米粉パン専門店ならではの嬉しい心配りです。
筆者もブログやInstagramで何度もお伝えしていますが、米粉パンが最もおいしいのは「焼きたてから数時間以内」。
お米の性質上、そして余計な添加物を使っていないぶん、時間が経つとどうしても固くなりやすいんです。
そのため、持ち帰った米粉パンはできるだけ当日中に食べきるのがおすすめ。
食べきれない分は冷凍し、解凍後は必ずリベイク(再加熱)してから食べましょう。

炊き立てのご飯が一番おいしいのと一緒ですね!

今回筆者は開店直後に伺ったため、リベイクしなくてもふんわりやわらかな状態でしたが、チーズののったピザなどは、加熱することでおいしさが格段にアップ!
下の画像は、トースター(1000W)で1分リベイクしたピザの様子。
とろけるチーズがたまらない美味しさでした(≧▽≦)

そして驚くのが、どのパンももっちり&ふわふわな生地感。
たまごサラダサンドに至っては、パンが折り曲げられるほどの柔らかさ!(4つ上の画像を参照)
作りたてのタイミングでいただけているというのもありますが、パンの表面はツヤツヤで、まるで蒸したようなやさしい口当たり。
店主・西山さんによると、このふわもち食感の秘密は“焼き方”にあるのだとか。
蒸気の入れ方や、焼成のタイミング、温度調整などを細かく調整することで、白くてやわらかいパンに仕上げているそうです。

なるほど…!さすがプロの技です!
観光地・富良野という土地柄、遠方から訪れる方も多い中、焼きたての米粉パンを店内でいただけるのはとてもありがたく、貴重な存在に感じました。
おまけレビュー:チョコチャンククッキーを冷やしてみたら?
ごろっとしたチョコレートが入ったチョコチャンククッキーをテイクアウトし、
お店のおすすめ通り、凍らせてから食べてみることにしました。

冷凍したとはいえ、生地はカチカチに硬くなることもなく、冷たいままでもそのままパクリ。
そして、なんといってもこの冷えたチョコの食感が最高!
個人的にはこの食べ方、今回が初体験でしたが…
夏場にもぴったりの、ひんやりおやつとしてかなりおすすめできます^^
ぜひ皆さんも、機会があればお試しください。
アクセス・営業時間まとめ|sora no kujira店舗情報【富良野】

ご夫婦で小麦アレルギーを発症されたことをきっかけに、米粉専門のベーカリーとして再出発された sora no kujira さん。
パン職人としての豊富な経験と技術を活かし、一つひとつ丁寧に焼き上げられるパンや焼き菓子は、小麦パンに慣れ親しんだ方でも満足できる仕上がりです。
富良野観光の際には、ぜひ「そらくじ」のパンを求めて足を運んでみてください。
遠方でなかなか訪問が難しい方には、オンラインショップやパンのお取り寄せサイト「rebake(リベイク)」での購入も可能です。
rebake(リベイク)とは?
全国のパン屋さんからパンをお取り寄せできる通販サイト。
中でも「ロスパン」と呼ばれる、販売当日に売れ残ってしまった詰め合わせセットは、品質に問題がないにも関わらず廃棄されてしまうパンを有効活用する取り組みとして、食品ロスの削減にもつながっています。
また、札幌市内では、JR琴似駅直結の「発酵JuiceBar きろろぽっくる」さんにて月に2回、そらくじさんのパンや焼き菓子を購入できる機会もあります(詳細は店舗にご確認ください)。
イベント出店なども随時行われているようですので、最新情報は sora no kujira 公式Instagramをチェックしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本記事の内容は2024.8訪問時点の情報となります。
店名 | 米粉のパンと焼き菓子sora no kujira |
住所 | 富良野市新富町3-130 地図を開く |
アクセス | ・札幌から車で高速道路利用で約2時間 ・札幌から高速バス「ふらの号」利用で富良野駅まで約2時間40分乗車後、徒歩約23分 ・札幌からJR特急ライラックorカムイ利用滝川駅下車、根室本線に乗り換え富良野駅まで約2時間30分~3時間 乗車後、徒歩約23分) ・札幌から特急フラノラベンダーエクスプレス(期間限定便)利用富良野駅まで約2時間乗車後、徒歩約23分 ・JR富良野駅から車で約5分または徒歩で約23分 |
電話 | 0167-56-7355 |
営業時間 | 月〜土:11:00-18:00 日:11:00-16:00 |
定休日 | 不定休 ☆営業時間・休日については公式Instagramをご確認ください |
駐車場 | 敷地内に約8台分 |
キャッシュレス決済 | 各種クレジットカード、コード決済利用可 |
席数 | 店内8〜10席、テラス5席 |
お子様連れ | OK |
公式SNS | Instagram https://www.instagram.com/sora.no.kujira https://www.facebook.com/Pansukisorakuji/ Line https://page.line.me/535bxaox?openQrModal=true |
公式HP | https://soranokujira.com/ オンラインショップもこちらから |
外部サイト (食べログ) | https://tabelog.com/hokkaido/A0104/A010403/1034719/ |
外部サイト (リベイク) | rebake-soranokujira |
備考 | イベント他、お店の情報はInstagramで随時お知らせ |